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zoom RSS 分身/東野圭吾

<<   作成日時 : 2006/07/14 09:06   >>

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分身
内容(「BOOK」データベースより)
私にそっくりな人がもう一人いる。あたしにそっくりな人が、もうひとり。札幌で育った女子大生・氏家鞠子。東京で育った女子大生・小林双葉。宿命の二人を祝福するのは、誰か。

(ネタバレ・感想)再読2回目
 「変身」がだめなら「分身」だ!と書かれた本書であるが、「変身」も泣きが入るが「分身」もまた泣きの入る作品である。

 人はなぜ自分の存在を示したいのだろうか?
 自分はSFにはまったこともあり、なぜか自分を恐れている。
 部屋に一人でいると、突然ドアが開き「よう」と言って入ってきたのは自分。
 街中で相対して歩いてきた人物が突然声を掛けてくるとそれは自分の子供時代の姿。
 常識的に考えればありえないことではある。
 しかし、その時の恐怖の対象はいつも自分なのだ。
 
 自分に恐怖するとはどういうことか、誰もが突然自分とまったく同じ人が目の前に現れたらどうだろう。
 今の自分は本物?造られた身体、植えつけられた記憶。
 実は自分の人生は用意されたもので、築き上げたものではない。
 考えれば考えるほどに恐怖の幅は拡がっていくだけなのだ。
 そして、現在の自分の存在とは・・・・・。

 と、どうでも良い話から始まってしまったが、鞠子と双葉はクローンという位置付けながらも自分の道をお互いに歩いてきた。
 クローン研究の関係者は言う‘あれは間違いだった’と・・・。
 確かに生まれてきた過程に問題はあるのかもしれない、しかし、どこが違うのだろうか。
 彼女たち二人は親の勝手な研究の果てに生まれたかもしれない。
 だが、自分も親の勝手な都合で生まれたのだ。自分が産んでくれと頼んだわけではない。
 それから考えると生まれたことに関してはなんら自分と変らないはずだ。
 ゆえに浮かぶ言葉が
 「生まれてきたことに意味はない、だが、人生には意味がある」である。
 そして、二人の人生を狂わすものは、本人ではなく、周りの環境であったろう。
 母親の愛情、父親の愛情、彼女たちはこれを受けて普通に生きていけるはずだったのだ。黒い闇の環境が押し寄せなければ・・・。

 事実出生に関しては奇異すべきものかもしれないが、今後の人生になんの問題があろうか。
 二人にとっての存在意義は自分達で築いていく人生そのものが存在意義なのだ。

 文中ではかなり想定できるだけに意外性は少なかったかもしれない。しかし、それでも引き込まれる。
 ちょっと変った自分探しである。
 見つけてしまったのは自分の分身。または、誰かの分身であることか・・・。

 東野さんの作品では珍しく落とし込んだ後に微かな光明が見えるラストである。

 いや、それでも、二人はこの旅の中で間違いなく自分自身を見つけたのだ。
 分身として生まれては来たが、誰とも違う本人唯一の人生・・・。
 そう、人生においては何も同じものはない。
 誰かの分身として生を受けたとて、分けた身体を持つ以外に人生を共有することはありえないではないか・・・・・。
 過去に縛られず、未来に羽ばたく二人に祝福を・・・。
分身 (集英社文庫)

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分身
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