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zoom RSS 天使のナイフ/薬丸 岳

<<   作成日時 : 2006/10/23 11:11   >>

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天使のナイフ
出版社 / 著者からの内容紹介
生後五ヶ月の娘の目の前で惨殺された妻・祥子。夫・桧山貴志は耳を疑った。犯人は、十三歳の少年三人。四年後、犯人の少年の一人が殺され、桧山は疑惑の人となる。少年たちの事件後を追う桧山に付き付けられた、信じがたい真実、恐るべき過去――。

更生とは何か。本当の贖罪とは何なのか。少年法をめぐる論争の死角に迫るとともに、”読み出したら止まらない”ミステリーの醍醐味を両立させた、選考委員も絶賛の話題作、ついに刊行!! 第51回江戸川乱歩賞受賞作。

(ネタバレ・感想)再読
 第51回の乱歩賞。
 新刊である「闇の底」を読む前に去年読んだ時の衝撃をもう一度・・・なんて再読してみました。
 
 当初読んだときも感じたことですが、文章の持つ雰囲気や言葉のまわし方、読みやすさが東野さんとなぜか似ている感じを受けますねぇ。最後のどんでん返しなどそっくりに・・・。あくまで雰囲気ですが・・・。

 人が人を裁く・・・とは良心と邪心を秤にかける行い?
 
 罰とよべるほどの罰を受けない少年たちに、妻を惨殺された桧山貴志。
 「殺してやりたい」、と思わず憎しみの嗚咽が聞こえてきそうなほどに・・・。
 殺人者に対する怨みを晴らす行為は間違い?
 少年法の更生を柱とする過剰保護に対してどうなふうに考えることが、新たな道へ歩き出す試金石となるのだろうか・・・・・。

 誰もが人としての邪悪な部分を見せずに過ごせればそれが良いのでしょうが・・・。
 世間は冷たく、そして無関心。
 降りかからない火の粉など誰も好んで浴びにはいかないものです。

 人それぞれにある正義の形は多種にわたり、それを貫き通せるほどに心が強くもない。
 そんな人達の集団である日本国。
 誰かの思想、思惑に流されているだけなのにいつの間にかこれが自分の正義だと思い込む始末で・・・。

 必ずしもこの書籍が完璧であるとは言わない。
 桧山が見出す答えも人それぞれの答えの中の一部にしか過ぎない。
 罪を犯した少年たちに更生する未来を提示し続ける人々もいる。
 法の名の下に、更生したとされる人。新たな人生を真摯に生きようとしている人。
 当然いるだろうし、それを取り巻く環境が非常に小さく、そして、一般の人に見えずらいものだということも本書からは窺える。
 ただ、興味本位でかきたてるマスコミの姿勢には「贖罪」を意識した番組など皆無で、世間に知らしめる生贄的解釈の番組が多い気がする。
 「さまよう刃」でも同じ問いかけがある。被害者側と加害者側の接触を断絶する。
それは、あたかも加害者を被害者から守るがごとき行いなのでは・・・・と。

 終盤で桧山が語る
 「被害者が本当に許してくれるまで償い続けるのが本当の更生なんだ」と・・・。
 それを法が許したからで終わりにしてはいけない。誰のための法律・・・・?

 あくまで一つの見解としても、本書が示す少年法の根底にある様々な揺らぎは、一つの核心を揺さぶるに足る秀作ではあるのだろう。

 さて、次回作も読んでみましょうかね。
天使のナイフ

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さまよう刃(東野 圭吾/著)
さまよう刃読了しました。ページ数が多いためハードカ… ...続きを見る
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2007/10/01 16:47

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