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zoom RSS パラドックス13/東野圭吾

<<   作成日時 : 2009/05/07 22:00   >>

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パラドックス13
毎日新聞社
東野 圭吾

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内容(「BOOK」データベースより)
運命の13秒。人々はどこへ消えたのか?
13時13分、突如、想像を絶する過酷な世界が出現した。陥没する道路。炎を上げる車両。崩れ落ちるビルディング。破壊されていく東京に残されたのはわずか13人。なぜ彼らだけがここにいるのか。彼らを襲った“P-13 現象”とは何か。生き延びていくために、今、この世界の数学的矛盾(パラドックス)を読み解かなければならない!
張りめぐらされた壮大なトリック。論理と倫理の狭間でくり広げられる、究極の人間ドラマ。“奇跡”のラストまで1秒も目が離せない、東野圭吾エンターテインメントの最高傑作!

(ネタバレ・感想)
「世界が変われば善悪も変わる。
人殺しが善になることもある。これはそういうお話です」   by東野圭吾

この帯の文字からどんな話なのか興味しんしんでしたが、なんとSF的に始まり、数学的に味付けされ、哲学的に個々の人生を彷徨する。
 様々な人間模様はある方向へ導くが如く基へ帰着する。

 世界が変わるとき・・・。

 本書の小説では「P-13現象」により人が消え、地震が連続し、台風が吹き荒れて世界が変わってしまった。

 残された人たちは、その孤立した世界でどう生きていくのか?どう生きていけばいいのか?
 いや生きるということ自体があまりにも空虚な世界と化してしまった街で何を求めていくべきか?
 現在の我々が受容している利便性やそれを支えているシステムが途絶えた街「東京」。
 どんな高度文明も動くことが前提であり、屍と化したなれの果てなど必要ではないということを教えてくれる。

 もはや隔離された世界では、密室に存在する死体になりかねない状況、協力して苛酷な環境に抗していかなければ共存していけない、順応することを拒めばたちまち全体の致死率を急上昇させてしまう。

 これは、ある種の警鐘と捉えるのはうがち過ぎな解釈だろうか・・・?

 近い将来「P-13現象」などという架空のものではない環境破壊による地球温暖化がもたらす自然災害が・・・。
 人為的に歪められた世界感の住人が核のボタンに手をかけてしまうことなどが・・・。
 この世界を本当のパラドックス空間にしてしまうのではないだろうか・・・?
 そんな世界では、彼ら13人が過ごした様な、人と人との軋轢は、この小説で描かれたものなど吹き飛ぶぐらいのグロさが生まれてくるのではないか。
 安楽死が是か非かなど考えている余裕など実はないのだということを平和ぼけしている自分たちは気がつかないでいる。
 生きていくためには・・・。そんなことを考えもしない、考える必要もない世界では・・・。
 
 ある種、日本の終末的な現場の中へ突如として投げ込まれた人々は、地獄絵図を目前に何ができるだろうか?  生存競争を賭けた戦いが生まれなかったこの小説の展開は、いわばシュミレーション的に何かを問われている気もしました。
 
 世界が変われば善悪が変わる・・・。
 それは人の歴史に見てとることができるように変わるものだ。
 戦争が悪だと今は捉えられているが、それは今が平和に機能した世界感の中にいるからだろう。 
 戦国時代、三国志の時代、モンゴル帝国、ローマ帝国の時代などに悪との認識があったわけではおそらくはなかろう。人は学んでいく生き物なのだと信じたい。
 いつの日かこんな世界へ抛り出されたりしないことを祈る。

【パラドックス】を調べてみるに

「言葉のもともとの意味では、〈パラドックス〉とは一般に受け入れられている見解に反する命題(ギリシア語でparadoxa)という。論理学でこの言葉を厳密な意味で用いるときは、証明されるはずのない矛盾命題が、妥当な推論によって、あるいは少なくとも一見妥当な推論によって導かれることを〈パラドックス〉と呼ぶ。」
                          内井惣七「パラドックス」『岩波 哲学・思想辞典』岩波書店、1998年

 証明されるはずのない矛盾が、一見妥当な推論によって導かれること。
 それは、私たち人間の地球上の行動そのものではなかろうか・・・。
 地球温暖化は何年も前から取りざたされた命題ながら、人は機械化による進化いう歩みを止められない。
 考えてみるに人という存在(叡智)がなければパラドックスなど存在しないのでは・・・。
 まさに確信をつけば、人そのものがパラドックスの中の住人なのではないだろうか・・・。

 となんとも小説とはほど遠い感想に終始してしまった。既刊である「さいえんす?」にも環境について「人間は自分たちの繁栄を最優先するあまりに環境破壊を肯定してきた。今になって環境を蘇らせるという事は繁栄を優先しないということ。どれだけの人がそれを肯定できるのか」なんて書かれていた気もしてついつい超拡大解釈してしまった感じであるが、楽しく不安を抱きながら読ませてもらった。
 次なる新作はいつになるのだろうなぁ・・・。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
さいえんす? 東野 圭吾
「白夜行」や「変身」など、多数の著作 をもつ、東野圭吾のエッセイ。 彼は理系出身の作家なのは結構知られている と思うが、理系の人なら「当たり前」の コメントが、実は一般人(文系の人)には 当たり前じゃあない!、ということを 再確認できる一品。 理系の人.. ...続きを見る
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