ダイイング・アイ/東野圭吾

ダイイング・アイ
 東野圭吾、幻の傑作がついに解禁! 刺すように苦く、ただれるように甘い、夜の街のサスペンス!!
 雨村慎介は病院のベッドで目を覚ました。頭を殴られて、倒れていたというのだ。慎介は、事件の前後の記憶が一部欠落していた。自分は誰に、なぜ殴られたのか?失われた記憶と、まわりの人間の不可解な行動に、慎介は不信感を募らせていくが・・・。
 連載完結から9年。多彩なヒット作を持ち、今もっとも新作を待望される東野圭吾の、異色作にして幻の傑作が、ついに全貌をあらわした!

(ネタバレ・感想)
 ベストセラーを連発する人気作家の幻の傑作、解禁!
 と、本作は1998~1999にかけての作品ですが当時では、まだそれほど人気はありませんでしたよね。
 一部の中だけでの盛り上がりみたいなものはあったようにも思うんですが・・・。
 ベストセラーなんて、当時はほとんどありませんでしたからねぇ。
 「ガリレオ」のテレビ放送からまた一層人気が出ているようですねぇ。

 久しぶりの新刊ですので、ゆっくり読もうと思ってるんですが、相変わらず読み始めるとやめられないので一気に読んでしまいました。
 内容はホラー?でもなくミステリ?という感じを少々内包しつつ、まぁ無難にサスペンスというところでしょうか。

 一人の女性が交通事故により亡くなるところからスタートします。 
 この死についての描写がまたすごいですね。
 走馬灯のながれまで詳細に描き、不条理なまでの死を、生への執着をはらんで物凄い感覚を読者に提供してきます。
 とにかくここのポテンシャルは秀逸といっても過言ではないでしょうね。
 死んだこともないのに、感情のきらめきが一瞬にして潰える人の意識ってこうなのかなぁなんてほんとに感じてしまいますね。
 そして、被害者が死ぬ間際のこの想いが、すべての引鉄をひいて・・・。
 -許さない、恨み抜いてやる、たとえ肉体が滅びても・・・・。-
 
 こんな冒頭からぐいっと引き込まれたと思えば、主人公の雨村慎介は頭を殴られ、病院のベッドで目を覚ます。そして、慎介は、事件の前後の記憶が一部欠落しており、自分が誰に、なぜ殴られたのかが解らない。
 失われた記憶を求めて独自での探索を開始していくのだが、まわりの人の不可解な行動や言動、見えてきた真実は・・・。とさらにぐいっと、また引き込まれます。

 中間での緩展開をもう少しスピーディーにいっても良かったかな、ともおもいましたが、それなりの驚きとそれなりの恐怖感を滑らかに綴っていくあたりはなかなか楽しめる作品だと思います。
 交通事故の運についての江島談などは、興味引かれる内容でした。以外に事故を起こした人はみな同じような想いをいだいているのかもしれません。
 
 それにしても、エピローグでの終わり方は確かに怖い。
 が、マネキンによる恐怖心をうまく醸し出していたがゆえに、マネキンがオチに使われることをつい想像しながら読んでいたため、あれ??、そっちへいくのかと正直思わず突っ込みを入れてしまいました。
 まぁ普通の流れといえばそうですが、もう一つ鮮やかな裏切りも欲しかったような・・・。
 でも、充分楽しませていただきました。
 次の新作が、もはや待ち遠しいですね。

この記事へのコメント

2007年12月28日 02:04
こんばんは。
そういえば、マネキンは導入部だけでしたね。
冒頭の怨念が目力に宿ってるみたいで、かなり怖かったです。
主人公も記憶が戻ればあまりいい人でなく…
やりきれなさが残った感じでした。

トラバさせていただきました。

この記事へのトラックバック

  • ダイイング・アイ

    Excerpt: ダイイング・アイ 東野 圭吾 これもまた待ってたもののひとつ。 しかしまぁ、贔屓の作家の新作が次々あるっていうのは、うれしい限りです。 ところが評判を見ると上々ってほどでもない。 だ.. Weblog: 読書三昧 racked: 2007-12-18 19:58
  • ダイイング・アイ 東野圭吾

    Excerpt: 装幀は泉沢光雄。初出「小説宝石」。 直視しがたいプロローグの後―。バーテンダーの雨村慎介は襲われ意識不明。病院で目覚め、失った一年半前の人身事故の記憶を調べ始めると不穏な出来事が。記憶を思い出せ.. Weblog: 粋な提案 racked: 2007-12-28 01:48
  • 東野圭吾 「ダイイング・アイ」

    Excerpt: 東野圭吾さんの新刊が出ていたことに、迂闊にもまったく気づきませんでした。 とりあえず、本の帯にだまされました。 「今度の東野圭吾は悪いぞ」 とかあるんですけど・・・・ .. Weblog: Mystery blog racked: 2008-01-02 11:48
  • 東野圭吾「ダイイング・アイ」

    Excerpt: 東野圭吾著 「ダイイング・アイ」を読む。 このフレーズにシビれた。  美菜絵の目は、真っ直ぐ前に向けられていた。彼女の身体を押し潰した車を運転している人間の顔に、だった。 [巷の評判] 新・小町家の.. Weblog: ご本といえばblog racked: 2010-04-14 10:30